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動線計画の話

K様邸洗面所

設計をするときに「動線計画」があります。
これ、とても大事。動線計画がうまくいけば、本当に心地良い住まいになります。

基準になるのはライフスタイル。
家庭それぞれ動線は変わってくるものなのです。

家事動線

料理、洗濯、掃除、後片付け、育児など家事をする動きに関わるものを「家事動線」といいます。

ポイントは2つ。

1.何を同時進行するか

料理と洗濯。子供の身支度とお風呂の世話と料理。夫婦で一緒に料理。など。
毎日の家事の負担を軽くするのに同時進行する家事に関わる空間を近づけることが基本になります。

2.洗濯は7工程ある

これはなかなか気づきにくいところなのですが、洗濯は、
①脱いだものを置く→②洗濯機に入れる→③取り出す→④干す→⑤取り込む→⑥たたむ→⑦しまう 
と、いう実に7行程から成る家事なのです。一人暮らしの時はほとんど気づかないのですが、家族ができるとこの労力は実に人数×7(!)に膨れ上がります。
例えば、①で家族が脱いだものをあちこちに置いてしまうと、拾って洗濯機に入れるまでが大変!③取り出した後、アイロンがけをしたり、外に干したり、室内干ししたりでそれぞれ手間は変わります。⑤で取り込んだ後すぐたためないと億劫になってしまいますし、⑦でしまう場所を、各家族の部屋の収納ダンスをあちこちめぐりめぐっていかないといけないとしたら、これまた大変。
さらに、洗濯をお母さん1人が全工程しているのであれば、ストレス間違いなし。家族が手伝えるような仕掛けも必要ですね。

生活動線

家族が1日を過ごすときに、1番スムーズな動き方ができるといいですね。

1日の暮らしをシュミレーションしてみると、生活動線が見えてきます。

例えばお母さん。朝起きてすぐキッチンに立ち、ご飯の支度をしながら寝室まで家族を起こしに行くとしたら、寝室とキッチンとの距離が近いと助かります。
夜、お風呂の後すぐ眠る?リビングでくつろぐ?もしお風呂の後すぐ眠るとしたらお風呂と寝室は近い方がいいかも。お風呂の後リビングでくつろぐとしたら、お風呂とリビングが近い方がいいかも。
その様な、選択肢が出てきます。

来客動線

家にいらしたお客様が移動する経路「来客動線」。家族との鉢合わせや、散らかった部分を見られるなどのアクシデントを防ぐ動線の考え方。
お友達やお客様がいらした時に、玄関やキッチン周りで渋滞が起こるのも、避けた設計にしたいものです。

回遊動線

ぐるぐると回れるようになっている動線のこと。渋滞の防止や、家事動線がスムーズになったり、行き止まりの感覚が少ないので、家全体に広さを感じる心理効果もあります。

注意点は3つ。
1.照明のスイッチ計画
空間の自由度が増えるので、照明のスイッチ計画が複雑になります。
2.収納スペース
壁が減るので物理的に収納スペースも減ります。
3.家具を置く場所
同じく壁が減るので家具を置く場所が限られます。

以上のことを注意して設計計画ができれば、是非採用したい動線です。

まとめ

・家事動線
1.何を同時進行するかが大事。
2.洗濯は7工程ある。
・生活動線
1日の暮らしをシュミレーションしてみる。
・来客動線
アクシデントと渋滞防止。
・回遊動線
照明計画、収納、家具レイアウトの問題が解決できれば、採用するとより快適。

住まい手が、自身の生活をシュミレーションし、それをプロに伝えることで、より良い間取りが出来上がっていきます。
理想の暮らしを、「動線」からイメージしてみましょう。

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